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CBDは「見えない」不安を大きく改善 !?

 

監修:酪農学園大学附属動物医療センター 麻酔科/集中治療科 診療科長

佐野忠士 先生 

麻酔学を専門としている立場上、老齢性の症状で大きな問題となる「夜鳴き」「徘徊」の治療・対処のための鎮静薬や催眠剤の使用について相談を受けることが非常に多くありました。

老齢性症状は本当に不思議で、脳に問題がある子の発作を止めたり、手術前に動物をおとなしくさせる量の鎮静薬や催眠剤を使っても「全く」と言っていいほど期待する効果が得られず、非常に管理に苦慮することが多かったです。精神的な異常興奮を「整える」「鎮める」作用を期待し、これらの症例へCBDオイルを給与したところ、 驚くほどの静穏状態を得ることができ、それに伴う食欲の改善などワンちゃんとしてのQuolity Of Life(QOL;生活の質)の大きな改善を経験しました。

 

言葉を話せないワンちゃんが対象なので、本当にところ、どのように作用しているのか?を正確に判断するのは難しいですが、給与した後の穏やかな寝顔をみていると、CBDを与えてよかった!!と心から思いました。

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佐野忠士 先生

酪農学園大学附属動物医療センター 麻酔科/集中治療科 診療科長

日本獣医畜産大学(現;日本獣医生命科学大学)卒業 - 獣医師免許取得(1999)東京大学大学院農学生命科学研究科 博士課程修了 - 博士(獣医学)取得(2003) 北里大学獣医畜産学部/獣医学部 助手(2003-2008) 日本大学生物資源科学部 獣医学科 助手/助教(2008-2012) 酪農学園大学 獣医学群 獣医保健看護学類 准教授(2012-2021) 酪農学園大学 獣医学群 獣医学類 准教授(2021〜現在に至る ) 

症例1:老齢性の痴呆症状

●雑種、16歳齢、避妊メス

●老齢性の痴呆症状を疑う夜鳴き、徘徊、昼夜逆転の生活

●加齢性と考えられる肝臓機能の低下、腎臓機能の低下はあるものの、これらと関連する全身性の症状などは認められていなかった。3ヶ月ほど前より、夜に徘徊することが多くなり、CBDオイル(ヘンプオイル)処方直前には、食欲ほぼ廃絶(原因は不明)、昼夜逆転の生活となり、近医で皮下補液での管理を継続。夜鳴きがひどくなり、飼い主も疲労蓄積による飼育の限界を感じ始めたところで、CBDオイル給与を開始

 

●給与量;1日3回 経口摂取

●給与開始翌日から食欲が軽度回復。夜に少し眠れるようになり状態の軽快傾向を実感。給与開始5日で食欲は以前の7〜8割程度まで回復。夜間にぐっすりと眠れるようになった。

●給与量を1日3回から1日2回に減らし、継続給与  

●給与開始から9ヶ月後、老衰によると考えられる状態で死亡。死亡時までCBDオイルへの嗜好性は変わることなく、喜んで舐めていた。痴呆様症状も死亡時まで全く認められず、飼い主様の満足度は非常に高いものであった。

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症例2:後肢麻痺・疼痛

●犬,柴,15歳8ヶ月,雌(避妊済)

●経過

・2020/8 疼痛ならびに後肢麻痺を主訴に来院 年齢と症状から椎間板疾患を疑いステロイド材の処方を行うも良化せず、 血液検査にてCPK(クレアチンフォスフォキナーゼ)の異常上昇が 認められ、肢端部の冷感も確認 →血栓症と診断し抗血小板剤(プロピドグレル;商品-プラビックス)を 25mg/head, SID で処方

・2022/4/23 比較的状態良好で経過していたが、疼痛再発(飼い主主訴)し再び受診。 体を触ろうとすると激しく鳴くため、重度の疼痛の存在を考え 1 週間の入院の間、フェンタニルを1〜5μg/kg/hr-CRI で管理。 比較的おとなしくしている時間も認められる。 血液検査所見では CPK>2,000U/L, CRP>7mg/dl

 

痛みの管理が良好にできていると考え、退院するも夜中や、何か行動の際に「激しく鳴く」 「吠える」が繰り返され、再び受

・2022/5/14 トラマドール、ブプレノルフィン、フィロコキシブを処方するも、 状態良化はあまり認められない

・2022/5/19 未病サプリをTID(1 日3 回)給与したところ、 翌日よりぐっすり眠る時間が増えてきており、 起きている時も明らかな痛みの存在を示唆する様子は認められない。

症例2の犬.png

高齢の痴呆を伴う神経因性疼痛に対しては、おそらく未病サプリのヘンプオイル成分(CBD)が 著効すると考えられた症例である。細胞培養上清液がどの程度効果を及ぼすかは不明だが、 明らかに「精神的安定性」を得るためにはCBD は非常に効果的であると考えられる。

『家族として愛するペットのために』

監修:獣医師 ​佐藤貴紀 

昨今、ペットの問題行動として、前足を舐める、無駄吠えをする、噛み付くなどが多く報告されています。

飼育環境が室内になったことで飼い主さんが気づけるということも考えられますが、

もしかしたら日々のストレスによる行動の可能性も否定はできません。

問題行動はペットの寿命への影響も考えられることから、できるだけのケアが必要と考えています。

また、動物も高齢化が進み、さまざまな疾患や体調の変化が起こることが報告されています。

主に認知機能低下症、脳腫瘍などをはじめてんかん(けいれん)、心臓病、腎臓病、椎間板疾患などが起こります。

症状としては、疾患により違いがありますが痛み、けいれん、無駄吠えや噛み付くなどの問題行動、

咳や呼吸促迫、頻尿など様々です。

まず大事なことは、何が原因で症状が出ているのかを突き止めることです。

原因がわかった時点で、投薬や手術などにより改善をはかります。

しかし、疾患により現状を維持し悪化しないようにしなくてはいけないケースが存在します。

その場合や、早期にストレス緩和などを行うことで悪化を免れるケースなどには

CBDオイルは有効ではないかと考えています。

 「コタローくんの症例」 

 コタローくん(15才)の症状 

コタローくんの症状.png

コタローくんの飼い主さんからのご相談は以下のようなものでした。

痛いのかふらついていたり、足を引きずるなどの椎間板ヘルニアの症状。

寝ようとするが興奮状態なのか全然寝付けずに、徘徊、無駄吠え、噛みつきなど。

 

CBDを摂取させてからは、椎間板ヘルニアの痛みの緩和、認知機能低下症や脳腫瘍の症状として、

特に噛みつきなどが減少しました。興奮状態も少し落ち着き、しっかりと寝るようになってくれたそうです。

動物病院の治療でもCBDオイルをサプリメントとして使用することが多くなり、

今回のような症状として痛み、興奮状態、あまり寝れないなどには適していると感じました。

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佐藤貴紀 獣医師

獣医循環器認定医、VETICAL動物病院(オンライン診療/相談)

一生のかかりつけ獣医師を信念に、総合的な診療から外科治療、予防医学に力を入れている。

現役獣医師でもありながら、東京都獣医師会理事にも就任し、社会福祉にも貢献。

著書では犬の急病対応マニュアル、猫の急病対応マニュアル、犬の悩みなんでも相談室、

動物たちのお医者さんも出版。 テレビ、雑誌など数々のメディアにも出演し、活躍の場を広げている。

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